web コンサート  クラシック音楽に関する疑問、質問、いちゃもん・・・?
 などを、思いつくままに 書き連ねてみたいと思います。

音楽の始めかたと終わりかた(フェルマータの話)

 実際の演奏にとって一番大事なのは、音楽を始めて・止めることです。
当たり前のことですが。これは、独奏ピアニストでも同じことが言えます。

音楽を始める時の指揮者(ピアニスト)の動作は、フェルマータの音を切ったのち
あらためて次の小節に入る時と同じと言えます。
つまり、指揮者(ピアニスト)は音楽が始まる少し前から、すでにその音楽のテンポの中に入っています。

また、音楽を止める時の指揮者(ピアニスト)の動作は、フェルマータの音を切る時の
動作と同じと言えます。
指揮者(ピアニスト)は音がやんだ後も、そのテンポから脱するのにしばらくかかります。
これらは、下記3:と同じです。

つまり、最初の音が鳴り響く前 構えてから、最後の音が鳴りやんで 構えを解くまでが
演奏ということになります。これは他の楽器の演奏者も同じですね。

 フェルマータとは、英語の「stop」に当たるイタリア語で「止める」という意味があります。
例えば、バス停のことを「fermata dell'autobus」などと言います。

音楽では、流れをいったん切る(止める)ことを言い、次の三つの処理法があります。

1:音を切らずに次の拍に続ける。
2:音をいったん切ってから次の拍に入る。
 (フェルマータと次の拍の間に一拍分の休止符が入る。)
3:音楽の流れを完全に切ったのち、あらためて次の拍に入る。
 (主に、フェルマータが休止符に附けられていることが多い。)

例として、ベートーヴェンの交響曲から譜面と、録画を使い説明します。
それぞれの指揮者のアクションにご注目ください。

☆1と2の例

ベートーヴェンの交響曲第五番の第一楽章冒頭部分
 カール・ベーム指揮 ウィーンフィルの演奏(1977年)より
 譜面の1のところでは、フェルマータの二分音符を切らずに次の小節に入っています。
 譜面の2のところでは、フェルマータの二分音符をいったん切ってから、次の小節に入っています。

no5

ベートーヴェン交響曲第五番第一楽章より
全曲は、youtebe で(別ウインドで開きます)

☆3の例

ベートーヴェンの交響曲第三番の第四楽章冒頭部分
 ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリンフィルの演奏(1953年)より
 譜面11小節目の二分音符は、完全に切ってからあらためて次の小節に入っています。
 ここで、ティンパニのパートでは、休符の上にフェルマータがあることに注目してください。

no3

ベートーヴェン交響曲第三番第四楽章より
全曲は、youtebe で(別ウインドで開きます)

1;指揮者のいないオーケストラ
2;音楽の全体像を把握する
3;テンポ
4;音楽の始め方・終わり方

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古賀幸利

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2016年 6月10日更新